いつだったかアイルランド民謡「庭の千草」を大束先生に見ていただいていた頃、ト長調の楽譜を持って行ったら、いつものようにオクターブ上でも吹く練習をしてくださいと言われ正直嫌だなと思ったものです。全身に力が入ってちっちゃなかすれたブツ切れの音しか出ないわ音程は笑っちゃう程おかしいわでげっそり、ヘトヘトでした。
大束先生はパンフルートの高音でちゃんと吹けるようになる事は、達成感というものでもなく、見えてなかった新しい景色が見えるというかそういう事なのだとおっしゃったのです。見たことのない景色があるなら見てみたい、その時から高音の練習に前向きになった私でした。